Series : Light(color)
穿たれた穴から溢れる光





























写真は「かつて、そこに、あった」ものを記録する。それは写真の根底なのだが、それを私は不自由に感じる。なぜなら、それだけでは生きていないからだ。生は常に変化する。写真に生を与えるには変化を許す場所としての「空白」を存在させなければいけない。

写真を紙にプリントし、そこに穴をあけ光を透す。光は瞬き、写真の記録した世界にはない新しい空白を作り出す。別に光を使わなくても空白を作るだけなら他の方法があるのだろう。しかし私は光に拘る。光があることで、その空白が暴力性ではなく美として認識され、それによってその空白に観る人それぞれの世界を投影できると考えるからだ。

このシリーズでは光が覆っている部分が主に顔なのは、そこに自分に関わる誰かを挿入したいという願望の反映なのかもしれない。

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